松の育て方を徹底解説!正しいお手入れ方法を知って立派な木にしよう

松の育て方を徹底解説!正しいお手入れ方法を知って立派な木にしよう

松といえば、自宅の庭に植えてあったり盆栽が置いてあったりと、わたしたちにとって身近な植物といえます。しかし、いざどんな育て方が正しいのかと考えてみると、わからないこともあるのではないでしょうか。

今回は、松の育て方や手入れの方法などについて、庭木と盆栽とにわけてみていきます。病害虫などの被害を予防する方法や、松の木を好みの形に整える方法などもご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

松の育て方とお手入れ方法

わたしたちにとって身近な木である松ですが、育て方といわれると自信がないという人もいるのではないでしょうか。まずは庭木の松について、どんな種類があるのか、その育て方やお手入れ方法についてみていきましょう。

松にはさまざまな種類がある

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松の木には、さまざまな種類があります。おもな松の種類と特徴は次のとおりです。

〇クロマツ
その名のとおり、樹皮の部分が黒っぽい松です。葉が太くて長く男らしい力強さがあるため、男松と呼ばれることもあります。庭木にすると壮大で見映えがよいですが、それを保つためにはしっかりとした手入れが必要です。

乾燥や湿気・排気ガスなどにも強いため、都市部でも日の当たる場所であれば育てることができます。潮風にも強く、海辺でも成長します。

〇アカマツ
こちらは樹皮の部分が赤っぽい松です。葉が細めで、さわってもあまり痛くないほどです。赤い色ということもあり、雌松と呼ばれることもあります。日のよく当たるところで成長し、高さは30mほどになることもあるため、庭木にする場合はあまり大きくなりすぎないようにするための剪定が必要です。

〇ゴヨウマツ
こちらも名前のとおり、1か所から5枚の葉が出る松です。成長が遅く、病害虫に強いという特徴があり、庭でのお手入れが楽だといえます。ただし、湿気や日陰には弱いため、植える場所には注意が必要です。潮風や乾燥には強くなっています。

〇ダイオウマツ
見た目が雄大で、葉が松類のなかでは世界一長いことから、「大王松」と名付けられた松です。ダイオウショウと呼ばれることもあります。葉の長さは30㎝ほどになることもあり、その美しさから洋風の庭園に植えられることもあります。

松を植えてみよう

実際に一から松を育てようとしたら、どのようにしたらよいのでしょうか。松を種から育てる場合と苗から育てる場合にわけてみていきましょう。

・種から育てる場合
  松の種は、秋に松の木から松ぼっくりを取って室内に置いておけば、かさが開いてそこから取ることができます。その秋のうちにまくか、乾燥しないように冷蔵庫などで保管し、春にまきましょう。発芽に適した温度は20度前後です。また、発芽には早くても1か月以上かかります。

種はひと晩水に浸し、十分に水を吸って沈んでいるものを使います。土は赤玉土7:砂3を混ぜ合わせたものがよいでしょう。土を育苗ポットに入れたら、土に指でいくつかの穴を空けます。深さは1~2㎝程度でよいです。その穴に1粒ずつ種をまき、種が隠れるぐらいに土をかぶせれば種まきが完了です。

・苗から育てる場合
苗を植える時期は、休眠期である2月下旬から4月半ばまでが最適です。松の苗は根が弱いため、植え替えをしなくてすむように場所選びはしっかりおこないましょう。

庭に植える場合は、日当たりがよく水はけもよい場所が適しています。苗の2倍ほどの大きさで穴を掘ったらそこに植え付けましょう。鉢に植える場合は、8号以上の深さがある鉢がよいです。鉢底ネットを敷き、棒でつついて根と土をなじませます。庭の場合も鉢の場合も、根についている土は落とさないよう注意してください。

基本のお手入れを確認

松を植えたら、いよいよ育てていきましょう。ここでは、基本的なお手入れ方法を確認していきます。

・生育環境・水やり・施肥など
まいた種は、発芽するまで土が乾かないように水やりします。このときは日陰が適しています。発芽したら明るい日陰で風通しのよい場所に置くとよいでしょう。本葉が2~3本になったら、苗が1本になるように間引く必要があります。

種や苗を植えたら、2年間は土が乾かないように水やりが必要です。この期間に根がはるためです。2年たったら、庭に植えた場合はその後の水やりは不要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。

肥料については、松は丈夫な木であるためそれほど必要ありません。2月から3月の間に、緩効性化成肥料というゆっくりと効く肥料を与えるとよいでしょう。または、油かすなどの有機肥料でもよいです。どちらも株元に与えるようにしましょう。

緑摘みともみあげって何?

松が成長したら、樹形を整える必要があります。その方法は、「緑摘み」と「もみあげ」と呼ばれています。それぞれの作業について解説していきましょう。

緑摘みは、4月から5月にかけておこなうもので、松の新芽が数本立ち上がってくるのをかき取ることによって自然な形を維持することが目的です。新芽が手で摘み取れるぐらい柔らかいうちにおこなうとよいでしょう。

緑摘みの方法は、中心に出ている勢いのよい新芽を指でつまんでかきとります。左右に伸びている小さめの芽をバランスよく残すのです。バランスが悪い場合は指で折りましょう。

一方のもみあげは、11月から12月ごろにおこないます。古い葉を手で取り、下枝にも日が当たるようにしていくことが目的です。また、古い葉を取ることで害虫が葉の間で越冬するのを防ぐこともできます。

もっと松を増やしたい!そんな場合はどうする?

松を植えて育てているとき、もっと松を増やしたくなったらどうしたらよいでしょうか。松を増やす方法には、挿し木や接ぎ木などがあります。

挿し木とは、3月から5月の間に、新芽がついた枝を新しい鉢に挿して根を出す方法です。新芽がついた枝を切り落としたら、赤玉土などを入れた鉢に挿し、土が乾かない程度に水やりをします。鉢を置く場所は、明るい日陰がよいでしょう。ただし、挿し木の成功率はあまり高くないといわれています。

接ぎ木とは、成長した苗を台木として前年に新しく伸びた枝をひもや接ぎ木テープでくっつけて育てていく方法です。2月から3月または8月から9月の間におこないます。苗には種まきから2~3年たったものを使いましょう。

接いだ枝にビニール袋をかぶせて1年ほどしたら、上の苗木を植え替えて松を増やすことができます。しかし、接ぎ木をするには技術が必要です。

松を増やすには以上のような方法がありますが、成功率が高いとはいえず、種をまいて増やすほうが確実といえるでしょう。

「剪定お助け隊」では、ご自宅の土地にある松について、さまざまなご相談を受け付けています。24時間いつでも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

松を育てるうえでのポイント

松の基本的な育て方についてはすでにご紹介してきました。しかし松を育てていると、病気や害虫などのアクシデントが発生することがあります。くわしくみていきましょう。

病気に気をつけよう!

松の育て方を徹底解説!正しいお手入れ方法を知って立派な木にしよう

松がかかりやすい病気に、松葉枯れ病があります。これは、ペスタロチア菌という菌に松の葉が感染するもので、これにかかると葉が枯れてしまいます。一度感染した枝は治すことができません。感染した枝は速やかに処分し、株全体を消毒して被害の拡大を防ぎましょう。

害虫に気をつけよう!

松は害虫の被害にも遭います。とくに多いのがマツノマダラカミキリで、この虫にはセンチュウなど約15,000匹の寄生虫がいるといわれています。センチュウはマツノザイセンチュウというもので、自らは動けないためカミキリに寄生します。

カミキリは枯れた木の幹に卵を産んで増えますが、これ自体は松を枯らすことはありません。カミキリが若い松をかじった傷を介してセンチュウが松の中に入って増えると、幹の中を流れている水が流れなくなるため葉が水不足となり枯れてしまいます。カミキリは元気な松に卵を産んでも死んでしまうため、このセンチュウによって枯れた松の木に卵を産むのです。

ほかには、マツカレハという害虫もいます。これは森林に発生する害虫で、越冬した幼虫が春に木に登り葉を食べます。7月に成虫になると産卵し、11月ごろまで新しい幼虫が葉を食べるのです。

予防するためには、10~11月ごろに、松の幹元から1~2mのところをワラや新聞紙で巻き、幼虫を捕獲します。春になったら、巻いていたワラや新聞紙を焼却します。また、マツカレハが大量発生してしまった場合には、殺虫剤をまきましょう。

カイガラムシやアブラムシの被害に遭うこともあります。これらも薬剤をまいて駆除する必要があります。また、枝を剪定して風通しをよくするとともに、これらの害虫を見つけやすくしておくことも大切です。

「剪定お助け隊」では、松の木に適切な剪定をし、病気や害虫の予防をお手伝いします。さまざまなご相談も受け付けておりますので、お気軽にお申しつけください。

松は盆栽としても人気!

ここまで、庭木としての松についていろいろとご紹介してきました。松は、盆栽でも人気があり、よく育てられています。最後に、盆栽の育て方についてもご紹介します。

盆栽の基本のお手入れ

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まずは、松の盆栽の基本的なお手入れについてみていきましょう。

・生育環境、水やり、施肥、病害虫対策
松は日光を好み、たくさんの葉が生えて密集しますので、日当たりがよく風通しのいい場所に置きましょう。水やりは、土の表面が乾いたら与えます。春や秋は1日1回、夏の暑い時期は1日2回、冬は3日に1回程度でよいでしょう。

肥料は、4~9月の間の、梅雨や真夏を除いた時期に、月1回程度与えます。有機性の固形肥料を置きましょう。葉が混み合うとアブラムシやダニなどの虫が発生することがありますので、注意が必要です。

大きくなったら植え替えよう

盆栽の松が大きくなったら、植え替えをしましょう。植え替え先の土は、赤玉土7:桐生砂3の用土がよいでしょう。伸びた根を半分程度に切り、新しい鉢に植え込みます。はじめは3年程度で植え替えをおこない、次第に植え替えまでの期間を長くしていくとよいです。

好みの形に整えたいときは?

盆栽は形を整えることも楽しみのひとつです。松の盆栽を好みの形に整えるためには、いくつかの方法があります。

まずは剪定ですが、伸びた部分や混み合っている部分などの葉や小枝を、バランスを考えながらハサミで切ります。古い葉を取り除きたいときには、葉すかしという方法もあります。葉をすかすように抜き取るのです。11月ごろには自然と古い葉が落ちるので、このときに残った葉をピンセットで抜き取りましょう。

盆栽の高さを小さくしたい場合は、芽摘みという方法があります。5月ごろに芽が目立つぐらいまで伸びてきたら、枝の先端にしっかり伸びている強い芽をはさみで切りましょう。残った弱い芽も間引いたり、込み入った葉をカットしたりして整えるとよいです。

盆栽の形を変えたい場合は、針金掛けをしましょう。枝に針金を巻き付けることによって、枝を曲げたり位置を変えたりすることができるのです。これは1年中どの時期でもおこなうことができます。

なお、枝を新しい場所で固定するには数カ月はかかります。枝が太くなると針金が食い込んであとがついてしますので、定期的にチェックをして巻き直すなどの対応をしましょう。

あったら便利な装具をご紹介!

松の盆栽の手入れについて、おわかりいただけたでしょうか。このような盆栽の手入れをするときに、あったら便利な装具がありますので、ご紹介します。

まずははさみですが、小さいものや細長いものなどいろいろな種類があります。枝を根元から切りたいときには、「又枝切り」を使うと便利です。又枝切りにも、刃の形が平らなものや半円のものなど種類があります。根を切るための「根切鋏」というはさみもあります。太い根を切るときには、「のこぎり」を使いましょう。

針金掛けにもいろいろな道具を使います。針金だけではなく、「針金切り」「針金用のやっとこ」などです。これらにもいろいろな種類やサイズがありますので、使いやすいものを選びましょう。太い枝を曲げるときには、「クランプ」「ターンバックル」などの工具を使うこともできます。

松のお手入れは難しい?

以上、松の育て方についてご紹介してきました。松は丈夫で育てやすい樹木ではありますが、それでもきれいに整えようとすると難しいこともあります。

細かい枝が茂っているためどの枝を切るのか判断ができなかったり、手入れをする時期に迷ったりすることもあるでしょう。手入れで迷うことがあれば、プロの剪定業者にお任せするという方法もあります。業者に依頼すれば、適切な方法できれいな松にしてもらうことができます。

「剪定お助け隊」では、松の木の剪定についてさまざまなご相談を受け付けています。全国どこでも対応でき、現地調査やお見積りも無料でおこなっています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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