すす病とは?植物をダメにする病…害虫駆除から予防策まで徹底解説!

すす病とは?植物をダメにする病…害虫駆除から予防策まで徹底解説!

育てている植物の葉が段々と黒くなってきたり、斑点のようなものが出始めたり……と、大切な植物の、突然の異変で戸惑う方もいるかもしれません。

黒いすすのような模様が出るこの症状、その名の通り「すす病」といわれる、植物の病気の1つです。どのような植物でも発生しうる病気なので、その対策や対処法、予防手段を覚えておきましょう。

すす病とはどんな病気?

すす病とは、カビが原因となって植物に発生する病気の1つです。この病気は植物の生育を妨げ、最悪の場合植物を枯らしてしまう原因となります。厄介なすす病を防ぐために、まずはその発生する原因と、主な症状を確認しておきましょう。

【すす病の発生原因】

すす病は、すす病菌と呼ばれるカビの一種が繁殖することで発生、進行します。すす病菌が繁殖する原因として挙げられるのが、カイガラムシやアブラムシなどの害虫です。カイガラムシやアブラムシなどの口から出る汁や排泄物には糖分が多く含まれており、すす病菌はこの糖分を栄養として繁殖してしまうのです。

【すす病の症状】

すす病の主な症状は、その名の通り葉に黒いすすがかかったかのような模様が見られるものです。この症状が進行すると、葉全体を黒い模様が覆うことになり、光合成ができなくなります。

この状態は植物の生育を妨げ、最終的に枯れてしまう原因となってしまいます。このすすのような模様は果実にも発生し、見た目が非常に悪くなってしまいます。

すす病の原因となる害虫について

すす病の原因となる害虫について

先ほども申し上げましたが、すす病はカビの一種が原因となり発生する病気です。さらに、このすす病を促進する害虫が存在します。ここでは、その中でも代表的なカイガラムシ、コナカイガラムシ、アブラムシについて解説いたします。

【カイガラムシ】

その名前の通り、背面に固い甲のようなものを背負う昆虫の一種です。植物の葉や茎に付着して養分を吸い上げるため、植物が弱ってしまう原因となります。

また、駆除をするにも背面の甲により薬剤が効きにくくなっています。カイガラムシの排泄物には糖分が含まれており、すす病が繁殖する原因となるだけでなく、他の害虫を呼び寄せる場合があり、非常に厄介な害虫です。

【コナカイガラムシ】

こちらも名前の通り、白い粉を吹いたような外見が特徴です。体長は3mm~4mm程。カイガラムシの仲間は成虫になるとほとんど動かないものが多いですが、このコナカイガラムシは成虫になっても歩行を行います。

ほかのカイガラムシと同じように植物の葉や果実に寄生し、吸汁を行います。主に柑橘類に多く発生するようです。固い甲はなくロウのような物質に覆われているだけなので、甲を持つカイガラムシと比較すると殺虫剤などの薬剤は効きやすいです。

【アブラムシ】

主に黄緑色をした小さな昆虫で、体長は1~3mmほどです。植物の葉や茎に住み着き、吸汁を行います。吸汁の際にお尻から出す透明な液体やアブラムシの排泄物には多くの糖分が含まれているため、すす病の繁殖を促進するほか、アリなどの昆虫を呼び寄せる原因となりこちらも無視できません。

すす病は人間にとって無害…でも植物には影響アリ!

葉が真っ黒に覆われ、いかにも人体に被害のありそうなすす病ですが、特に人体に及ぼす害はありません。家庭で育てている果実などにすす病で真っ黒になった部分がある場合は、水などで洗うことで取り除くことができます。

しかし、植物にとっては非常に厄介なものがすす病です。生育を妨げ最終的には枯れてしまう原因にもなります。すす病が発生しているということは、カイガラムシやアブラムシなどの害虫に寄生されている場合も多く、吸汁され弱っている状態も想定されます。

その状態で光合成ができないと、枯れてしまう可能性もぐっと上がってしまうでしょう。人体に被害はなくとも、植物にとっては大きなダメージとなるのがすす病なのです。

植物を害虫から守るための予防策

植物を害虫から守るための予防策

すす病対策としては、その発生を促進される害虫の防虫を、早い段階での駆除を行ったほうが、すす病菌を直接減らすよりも効果的だとされています。

何より、すす病菌を完全に除去したかのように見えても、カイガラムシなどの害虫が残っている場合は、再発生してしまう可能性が高いため、害虫の駆除を優先して行った方がよいでしょう。

【体に優しい自然な方法】

薬剤などを使わずに害虫を駆除する方法として、直接手で取り除く方法があります。カイガラムシの一部は固い甲でおおわれており、薬剤が効きにくい場合があります。

少ない数であればあまり手間ではありませんが、枝などにびっしりと付着してしまっている場合は、ブラシや割りばし、ヘラなどを使い根気よくそぎ落としていく必要があります。

【効果はバツグン薬剤を使う方法】

カイガラムシやアブラムシに有効な殺虫剤としては、乳剤タイプのものや水和剤タイプのものなどがあります。中でも水和剤タイプのものは長期間効果が持続するため、よく選ばれているようです。

しかし、完全に成虫となってしまったカイガラムシには薬剤が効きにくい場合がありますので、上述したようにブラシなどで少しずつ落としていく必要があるでしょう。カイガラムシをそぎ落とす場合は、地面にビニール等を敷いて集め、処分することで再度付着することを防ぐことができます。

すす病にならないためにできること

【害虫の排除】

上の項目と重複しますが、まずは害虫の排除が最優先です。すす病を殺菌剤等で取り除いたとしても、害虫が残っていることで再発生してしまう可能性があります。

駆除の方法にはブラシなどを使って物理的に取り除く方法と、殺虫剤を使用する方法があります。対応する害虫に応じて使い分けてください。

【植物の殺菌】

すす病に効果のある殺菌剤を使用し、すす病の除去を行います。園芸用殺菌剤のなかには、既に発生している菌の殺菌だけではなく、菌に対する予防効果があるものもあります。このような殺菌剤を用いることで、すす病に対する予防を行うことが可能です。

農薬成分の気になるかたは、竹酢液といわれるものを使用するとよいでしょう。竹酢液は竹を蒸し焼きにした際に発生するガスを集め、精製したもので、殺菌、防虫効果があるといわれています。被害の面積が小さい場合は、手作業でカイガラムシなどを取り除いた後にカビをふき取り、竹酢液を塗布しておくという手法でもよいでしょう。

【病の感染部位を取り除く】

感染した部分を剪定することも、その後の予防に有効です。また、多すぎる枝葉を剪定することも、すす病の予防につながります。すす病は湿気が多く日の当たらない場所に多く発生するため、剪定を行い日当たりや風通しを良くしてやることがすす病予防に効果的だといえるでしょう。

枝葉の剪定をまめに行うことで、すす病以外の病気や異常にも、いち早く気が付くことができます。

まとめ

見た目に悪いだけでなく、植物の生育を妨げてしまうすす病。人体への害は特にありませんが、最終的に植物が枯れてしまう可能性もあるので、できる限り早く対処したいところです。被害の範囲が比較的狭い場合であれば個人でも対処が可能だと思われます。

ですが、広範囲にカイガラムシの成虫が付着してしまっている場合など、個人での対処が難しい場合もあります。そのような場合は、害虫駆除を行っている業者へ依頼することも考慮に入れるとよいでしょう。

カイガラムシやアブラムシは非常に小さく見落としてしまう可能性もあるので、心配な場合も業者へ依頼をすると安心です。

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