カボスの剪定で切る枝とは?初めて育てる人へ~実がつかない理由とは

カボスの剪定で切る枝とは?初めて育てる人へ~実がつかない理由とは

カボスの剪定は年に1度おこないます。実をつけたいのなら「時期」「切る枝」を間違えてはいけません。また「育て方」にも注意をしましょう。カボスはじょうぶで初心者にも育てやすい果樹ですが、適切な扱いをしないと実も花もならず枯れてしまうことも……。

地植え、鉢植えどちらでも育てられるカボス。食べることもできるのでぜひおいしい実をつけたいですね。

この記事は初めてカボスを育てるかたはもちろん、これから育ててみたいかたにもわかりやすいような剪定ガイドとなっています。難しい言葉は使っていないので、サクサク読んでイメージをつかんでいってください!

カボスの育て方-水やり、肥料、環境

カボスは種からでも苗木からでも育てられますが、初心者のかたは苗木から育てるほうがよいでしょう。ここでは苗木から育てる場合の育て方について解説していきます。

じょうぶな果樹なのでカボスを育てるのが初めてのかたでも、元気に生長させることができます。まずはカボスのためにも、基本はしっかりおさえておきましょう。

カボスとはどんな植物?

カボスとはどんな植物?

ユズやスダチに似ているカボス。緑色でスダチよりもひとまわり大きいサイズの柑橘類系の果実です。

分類 ミカン科
生産 大分県
実の大きさ 100~150グラム(テニスボールほどのサイズ)
実の色 緑色、熟すと黄色
白く花弁は5枚
開花時期 5月ごろ
収穫時期 6~9月
カボスの9割以上が大分県で生産されており、残りは愛媛、宮崎、福岡などとなっています。カボスの収穫時期は長いため、ゆっくり実を楽しむことができそうです。

緑色の実が酸味もしっかりありフレッシュでおいしいのでできるだけ鮮やかな緑色のときに収穫しましょう。黄色になると酸味がおさえられ、カボス特有のさわやかさが感じられないかもしれません。

カボスの実は、ポン酢にしたり、お酒やジュースと混ぜたり、ジャムにしたりと使い道も多いので、レシピを調べてみるとおもしろいですよ。

カボスを育てよう

環境 寒さに弱い
弱酸性を好む
水やり 乾燥しない程度
肥料 年に3回
鉢替え 2年に1回
病害虫 ハダニ、カイガラムシなど

・環境

カボスは大分県、宮崎県など日本の南で栽培されています。寒さに弱いので冷たい風から守ってあげる必要があります。気温が-5度以下になる日が続く地域では、外で育てることは向かないかもしれません。

鉢植えの場合、普段は外に出していても、冬場や風が強い日は室内の日の当たる暖かい場所に避難させてください。外では太陽の光をたくさん浴びる場所を選びましょう。夏の昼間だけは暑すぎるので、直射日光の当たらない明るい場所へ移動させてください。

・土

水はけ、水持ちがよく弱酸性の土壌が適しています。土壌のpH(=水溶液の性質を知る記号)をはかる計測器が販売されているので、植え替えるときは、調べてからにしましょう。0~14の数値があり、中性がpH7とし、数値が小さくなるほど酸性が強くなります。

カボスの土壌はpH5~6あたりがよいとされています。日本は降雨量が多いため、土の中にあるアルカリ分が流されて、一般的に土壌が弱酸性になっているようです。

酸度が高いときは、石灰や牡蠣殻を撒いて調整するとよいでしょう。果樹用の培養土が売られているので、手軽に土作りをするのなら最初はこれらを購入するのもおすすめです。

・水やり

乾燥に弱いので、水はしっかりあげましょう。目安は、冬は1週間に1回、夏は2回ほどです。地植えであれば、土の中に水分があるので根が吸い上げてくれますが、鉢植えで育てているのなら表面の土が乾いていたら水をあげてください。あげすぎると根腐れをおこすので、鉢植えの受け皿もチェックし、水が溜まっているようなら捨てましょう。

・肥料

2月、6月、9月の年に3回肥料を与えるのが好ましいです。有機肥料や化学肥料を、カボスの根元だけではなく広げて与えましょう。速効性のある肥料が望ましく、液体肥料もおすすめです。

・鉢替え

3~4月ごろに生長し、根が鉢の底から見えてきたらそろそろ鉢替えの時期です。細い根がたくさんあるカボスは、根を傷つけないようていねいに作業をしましょう。

ふたまわりほど大きい鉢を用意し、根の土を優しく払い移し替えます。新しい鉢に土を入れ、穴を開けてそっとカボスを埋めます。そのあとは水をたっぷり与えてください。

・病害虫

病気には比較的、強いカボスですが害虫には狙われます。 ハダニ、カイガラムシ、エカキムシに食害されるので、剪定で風通しをよくし、薬剤で駆除するしかありません。

ハダニ…クモの仲間。葉の裏に寄生する。症状は白い斑点で、全体に広がっていく。

カイガラムシ…吸汁するため、栄養をとられ生育に影響をおよぼす。排泄物からすす病(葉が黒ずむ)へ発展することも。

エカキムシ…葉の中に潜り込んで、食害していく。葉の表面が白くなる。葉が変形したり枯れたりするので、見た目も悪くなる。

これらの害虫に侵されないためには、あらかじめ害虫予防の駆除剤を散布することです。害虫の種類にもよりますが、夏ごろに多く発生するのでその前には予防を済ませましょう。

なぜ?カボスの実がならない理由

なぜ?カボスの実がならない理由

カボスを育てる楽しみのひとつが「実」ではないでしょうか?料理にも使えるカボスの実、ならなかったらショックですよね。ではなぜ実がならなかったのか……。ここでは考えられる原因をいくつかあげていきます。

・実がなる年ではない
カボスは隔年結果(カクネンケッカ)といって、実がなる年と不作の年を交互に繰り返します。そのため毎年実がなるわけでありません。去年豊作であったなら今年はお休みの年なのです。

・まだ実がなるほど生長していない
カボスは植えてから数年は実ができません。もともと実ができている状態の苗木を植えていれば、実は期待できます。しかし若い苗木であれば、まだまだ実ができるまで年数がかかる可能性があります。

・剪定場所を間違えた
花芽ができる先端を切っていませんか?果樹の種類によって花芽ができる枝の場所は違います。剪定については下記で詳しく紹介していくので、いちど確認してみてください。

・環境が悪い
カボスは太陽の光がたくさん必要です。日当たりや、水やり、肥料は適切に与えているか確認してください。

カボスの剪定方法-基本をおさえよう

最後に剪定について解説していきます。カボスに限らず、植物は剪定がとても大切です。剪定をする意味、剪定に使う道具などまずは基本的な知識から学んでいきましょう。

なぜ剪定をするの?

なぜ剪定をするの?
  • 日当たりをよくするため
  • 花や実をバランスよくつけるため
  • 作業をしやすくするため
  • 見た目をよくするため

カボスは、とくに上の3つが当てはまります。葉が生い茂りボサボサになれば、内側の枝や葉は太陽の光が届きません。光が届かなければうまく育つことができず、また湿度も上がります。風通しが悪いと病害虫に侵される確率も上がります。

無駄に枝や葉があれば、栄養が分散されてしまい花や実にまでじゅうぶんに行き届きません。結果、花や実が小さくなったりつかなかったりします。

3番目の「作業」とは、薬剤散布などのことです。病害虫予防で薬をかけることもありますが、葉が生い茂っていては中に入り込めず、薬もうまくかかりません。作業をスムーズにおこなうためにも剪定は必要です。

剪定する時期

2~3月ごろがいちばん適した時期です。このころに1度剪定をおこないましょう。剪定じたいは1年中できますが、夏と冬前だけはさけてください。

夏はぐんぐん生長しているときです。そのときに剪定をすると、無駄に生長させ過ぎて、樹形を乱してしまいます。冬前に剪定をすると、寒波でダメージを受けてその後の生長に影響がでてきます。

夏冬どちらにしてもカボスの成育にマイナスになり、病害虫にやられる心配がでてくるので、剪定時期は間違えないようにしましょう。

剪定する枝

切ってよい枝、残す枝をしっかり見分けましょう。

  • 枯れた枝(枯れ枝)
  • 病気の枝
  • 細長く伸びた枝(徒長枝(トチョウシ))
  • 内側に伸びた枝(ふところ枝)
  • 下に垂れ下がった枝(下り枝)
  • 同じ方向に向いて重なり合ってケンカしている枝(競合枝(キョウゴウシ))
  • 同じ年に生長した枝(同年枝(ドウネンシ))

これらが切る枝です。切るときはできるだけ長さを残さず、根元ギリギリで切ってください。最初はどれを切ってよいか迷うかもしれません。枯れた枝、病気になっている枝を切るだけでも変わるので、わからないときは無理をせずわかるところから剪定していきましょう。

カボスは実がなる花芽と、実がならない葉芽があります。花芽は枝の先端にできるので剪定のときは、間違って切り落とさないようにしてください。

どれに花芽がついているか、見分けるのは最初は難しいかと思います。徒長枝や競合枝は切って、梅雨時期に伸びてきた邪魔になりそうな枝を切ると花芽を残すことができます。梅雨時期に生長する枝は、花芽はあまりつきません。

カボス剪定に使う道具

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 軍手
  • 脚立

カボスはトゲがあるので、園芸用の軍手をしてください。(※トゲが気になるときは最初に切ってしまってもかまいません)

剪定バサミは、枝を切るときに使うので必須アイテムです。高枝用もありますが、カボスは大きくても3メートルほど、きちんと剪定をしていると1.5メートルほどでおさまるので脚立があればじゅうぶんでしょう。まずは、片手で持てるサイズのハサミの種類を用意してください。

剪定ノコギリは、太い枝を切るときに使います。カボスもちょっと太めの枝(直径2センチメートル以上)があるので、ハサミだけではパワーが足りないかもしれません。このようなとき剪定ノコギリがあれば簡単に切れます。いくつも刃物を準備したくないかたは太い枝も切れる大きめの剪定用ハサミを用意すると便利です。

カボスの剪定方法

第2章でも少しふれましたが、カボスは「隔年結果」の果樹です。豊作、不作を繰り返すのが特徴です。昨年実がなった枝は「切り戻し剪定」を、昨年実がならなかった枝は「間引き剪定」をします。

【切り戻し剪定】

・樹形を整えるために、大きくなりすぎた枝を切っていくこと

・不要な枝を切ることで、これから1年間は、栄養を蓄え生長していける

【間引き剪定】

・3本を1本にするような枝を減らすための剪定

・太陽の光を届けたり、花芽のみに栄養を集中させたりするために余分な枝を間引く

カボスは放置しておくと「開心自然系」という横に広がる立木仕立ての樹形です。背があまり高くならないかわりに横へ伸びていくので、剪定のときも横を気にしてみてください。

 

カボスの切るべき枝がわからないときはご相談ください

ここまでカボスの育て方や剪定について解説してきました。元気に生長させ、実をつけるためには剪定が重要なポイントであることが伝わったかと思います。

しかし剪定する枝を見極めるには、最初はとまどうかもしれません。間違って切ってしまい、樹形を崩したり実がなるはずなのにならなかったりしたらショックでしょう。

ここで提案ですが、カボス剪定に馴れるまでの期間だけでも、剪定のプロに相談してみてはいかがでしょうか?今後ご自分でカボスを育てていくためにどうしたらよいか、プロからアドバイスがもらえます。プロの剪定の技術を見ることで、勉強になることも多いはず。

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