みかん剪定は幼木と成木でやり方が違う!適期や作業時の注意点
みかんの木は、定期的に剪定をおこなう必要があります。剪定は樹齢によって整える程度でいいのか・間引く必要があるのかなどが異なります。また、剪定の仕方を間違えると、花芽や実が付かなくなることもあります。そのため、「みかんの剪定が難しそう」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事ではみかん剪定の方法をご紹介します。また、剪定後の切り口のお手入れ方法や注意点、お手入れ方法などについてもご紹介します。みかん剪定についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
みかん剪定の目的と時期
まずはみかん剪定をおこなう目的や時期についてご紹介します。美味しいみかんをつくるために、以下の内容を頭に入れておきましょう。
みかんを剪定するメリット
みかんを剪定することで、より甘い果実が実ります。なぜなら、剪定をおこなうことで、樹木全体の日当りをよくすることができるからです。みかんの甘さは光合成によってつくられるので、しっかりと日光を当てることで甘くなります。
また、剪定をおこなうことで栄養や水分が行きわたって美味しいみかんとなるのです。さらに、剪定は病害虫予防にもなります。剪定をおこなうことで、風通しをよくすることができるからです。風通しがよくなると、湿度が下がり、病害虫が発生しづらくなるのです。
剪定する時期
剪定は、新しく枝ができる2月~3月におこなうのがよいでしょう。新芽が出る時期は枝がどの方向に伸びるのか予想しやすいからです。また、この時期に芽を取り除くことで、枝の生長を抑えることができます。
剪定する枝の特徴って?
剪定では、不要な枝を見極めて切ることが重要です。剪定で切り落とすべき不要な枝を、以下にまとめました。
- 真上にまっすぐ伸びた枝
- 下方向に伸びている枝
- 枯れた枝
- 病害虫に侵された枝
- 混みあっている枝
- 内向きに生えている枝
- 1本の枝が枝分かれしてさまざまな方向に生えている枝
これらの枝はほかの枝の生長を妨げてしまうことがあります。樹木全体の生長を促して美味しいみかんをつくるためにも、これらの枝は切ってしまいましょう。
ただし、毎年上記でご紹介した枝を切ればよいわけではなく、樹齢によっては切り落とす枝が異なります。樹齢ごとの剪定方法については、以下でご紹介します。
また、もし「どの枝を切り落とせばよいかわからない」「初めての剪定で自信がない」という方がいれば、剪定業者にみかん剪定を依頼することをおすすめします。剪定に関する知識が豊富な業者に依頼すれば、不要な枝を見極めて切ってもらうことができるため、失敗する心配がありません。
弊社では、全国にある多くの加盟店の中から、状況に応じた剪定業者をご紹介します。みかん剪定にお困りの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
みかんの剪定方法は「樹齢」で変わる
みかんは、樹齢によって剪定方法が異なります。そこで、ここからはみかんの剪定方法を樹齢別にご紹介します。
1.1~4年目の幼木
1~4年目の剪定方法は、以下のとおりです。
【1年目】
1年目の剪定では、主幹(木の幹のこと)を50cm程度の高さに切り詰めてください。また、太い枝は3~4本程度残して、枯れ枝・細く弱い枝・混みあった枝・秋に出た枝を切り詰めます。また太い枝も3分の1程度に切るとよいでしょう。そうすることで、枝が横方向に広がって木の高さを抑えることができます。
【2~3年目】
2年目~3年目は、花が付きはじめる時期です。このときに花が付かなかった枝は、切り落としてください。ただし、枝・花が少ない株に関しては、無理に剪定をおこなう必要はありません。
【4年目】
みかんは実が多く成る「成り年」と、実が少ない「不成り年」が交互にやってきます。成り年の場合は、先ほどご説明した不要な枝を切り落としましょう。
また、不成り年は夏枝(7~8月中旬に伸びる枝)や秋枝(8月下旬~9月に伸びる枝)を切り落として、ほかの枝に栄養が届くようにしてください。そうすることで、春に出る枝が多くなる可能性が高くなります。
2.5年目以上の成木
ここからは、5年目以降の剪定の仕方についてご紹介します。5年目以降は、不要な枝を付け根から切り落とす「間引き剪定」をおこないましょう。
このときに意識したいのが、開心自然形にすることです。開心自然形とは、背丈が低く横に広がった樹形のことで、日当たりや風通しがよくなってみかんが元気に育つことができます。また、開心自然形にすることで、剪定・収穫もおこないやすくなります。
剪定で必要な道具
みかん剪定では、枝を切るための剪定ばさみと刃物から手を守るための手袋を用意しておきましょう。
また、新聞紙を下に敷いて剪定をおこなうと、片付けが楽になるので、新聞紙も用意しておいたほうがよいでしょう。このほか、切った枝を片付けるためのほうき・ちりとり・ゴミ袋も用意しておいてください。
成木の剪定手順
5年目以降の木の剪定手順は以下のとおりです。
1.不要枝を切る
先ほどご説明した不要枝を根元から切り落としていきます。
2.前年実った枝を切る
前年に果実が実った枝は翌年には実らないので、切り落としてください。さらに、秋に伸びた枝にも果実が付く可能性は低いので、根元から切り落としてください。
3.樹形を整える
必要以上に伸びた枝や広がった枝を切り落とすことで、樹形を「開心自然形」に近づけましょう。
4.1割程度、葉を切る
最後に、木全体の1割ほど葉を取り除きましょう。そうすることで、樹木全体の日当たりをよくすることができるので、みかんが元気に育つのです。
剪定が終わったら、「癒合剤」という切り口の保護剤を塗りましょう。剪定をおこなった後の切り口は、栄養や水分が逃げやすく、雨水や雑菌が入ってきやすい状態となっていますが、癒合剤を塗ることでそれらを防止することができます。
大きくなり過ぎて剪定が難しい…
大きくなり過ぎた樹木は、自分では剪定が大変かもしれません。その場合は、みかん剪定を業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼すれば、手間をかけずに剪定をおこなってもらうことができ、仕上がりもキレイになります。
ただ、剪定業者に依頼すると費用が気になる方も多いでしょう。剪定業者に依頼したときの費用は、業者によって計算方法が異なり、日当制・時給制のところと単価制のところに分けられます。それぞれの剪定費用相場は以下のとおりです。
・日当制
- 15,000~30,000円程度
・時給
- 2,000~3,000円程度
・単価制
- 樹木の高さ3m未満:3,500円程度
- 樹木の高さ3~5m:7,000円程度
- 樹木の方さ5~7m:16,000円程度
ただし、正確な費用は業者によって異なります。より正確な費用を知りたい方は、剪定業者に見積りを依頼するとよいでしょう。
見積り無料の業者を選べば、費用を気にすることなくより多くの業者の見積り額を知ることができます。その結果、予算内に収まる業者を見つけやすくなります。
弊社では、見積りは無料でおこなっています。見積りの段階では追加料金が発生することもありません。まずは費用だけ知りたいという場合でも、お気軽に弊社までご連絡ください。
剪定するときの注意とその他手入れ
ここからは、剪定をおこなうときの注意点や、その他のお手入れ方法についてご紹介します。より剪定やお手入れの知識を深めて、美味しいみかんをつくりましょう。
剪定時の注意
剪定のときの注意点は、以下のとおりです。
1.新梢は残す
剪定をおこなうときは、新梢(新しく伸びた枝)を切らないよう注意しましょう。新梢の先にできた芽は花芽となるため、これを取り除くと花芽が少なくなってしまいます。
2.切り方を間違えると枝が増える
みかんは、不要な枝を根元から切り落とす間引き剪定が基本です。枝を途中から切ってしまうと、切ったところから枝が分かれて、増えてしまうおそれがあるのです。そのため、先程ご説明した方法を守って剪定をおこないましょう。
3.強剪定は不向き
みかんは常緑果樹(1年中葉を生やしている果樹)ですが、強剪定をおこなうと葉を多く取りすぎてしまう場合もあります。そうなると、樹木のダメージが大きくなって花や果実が付きにくくなります。そのため、強剪定は避けましょう。
剪定のほかに必要な手入れって?
みかんは、剪定のほかにもお手入れをおこなわなければなりません。ここでは、みかんのお手入れ方法について見ていきましょう。
【摘果】
摘果とは、あえて果実を取り除く作業のことです。果実を取り除くことで、残った枝に栄養が行きわたり、美味しくすることができます。
【肥料】
みかんは多くの栄養を必要とするため、定期的に肥料を与えましょう。植え付けのときに「化成肥料」を、3月・6月・9月に「緩効性肥料」を与えてください。
なお、化成肥料とは、無機質肥料(鉱物や窒素などの無機物)から作られた肥料です。また、緩効性肥料とは、ゆっくりと効き目が現れ、効果が長続きする肥料です。
【水やり】
鉢植えでは、土が乾いたら鉢底の穴からあふれるほどに水やりをおこないましょう。また、実が生長する春~夏には水やりをおこない、実が熟している秋~冬は乾燥させるとよいでしょう。
害虫対策ってなにをする?
みかんを元気に育てるためにも、害虫対策をおこないましょう。みかんで気を付けたい害虫には「ミカンハダニ」「エカキムシ」「カイガラムシ」などがあります。
ミカンハダニとは、かんきつ類の葉緑素(植物にある緑色の色素)を吸い取ってしまう害虫です。葉緑素を奪われたみかんは、光合成をうまくおこなうことができなくなり、弱ってしまいます。
エカキムシはハモグリガという害虫の幼虫です。エカキムシが葉を動き回り、食害していきます。その結果、葉が枯れたり早く落葉したりします。
カイガラムシは、植物の栄養分を吸い取ってしまう害虫です。カイガラムシが発生すると、すす病菌が現れ、すす病になるおそれもあります。すす病になると斑点が広がり、光合成が妨げられて弱ってしまいます。
ミカンハダニやカイガラムシは薬剤を使って駆除することができます。とくに、カイガラムシはオルトラン水和剤が有効なので、試してみてください。
また、エカキムシが発生すると食害された跡が見えますが、エカキムシは跡の先端にいるので潰しましょう。その後、浸透系の薬剤を使って殺虫をおこなってください。
また、害虫対策をおこなうためには、剪定をおこなって風通しを改善することが重要です。そのため、剪定はかかさずにおこないましょう。
もし、自分での剪定が大変な場合は、剪定業者に依頼するのもひとつの手段です。剪定業者に依頼することで、失敗するリスクなく剪定をおこなってもらうことができ、仕上がりもキレイになります。
弊社では、全国にある多数の加盟店の中から剪定業者をご紹介します。24時間365日電話対応しているため、ご都合のよい時間にいつでもご相談いただくことが可能です。
また、見積りも無料でおこなっており、追加料金もかかりません。みかんの剪定にお困りの方は、ぜひ弊社までご連絡ください。
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