ジャスミンの剪定と育て方・初心者の疑問解決【ハゴロモジャスミン】
ジャスミンは種類によりますが、基本的に寒さに弱い植物です。日本でも冬になると気温が下がるので、寒さ対策をしてあげないと枯れてしまいます。
その中でもハゴロモジャスミンはまだ耐寒性があるので、日本でも育てやすい種類です。今回は、甘い香りと小さな白い花が特徴のハゴロモジャスミンの剪定や育て方、お手入れ方法などを解説していきます。
ハゴロモジャスミンは初心者でも、剪定もしやすく比較的育てやすい植物なのでぜひ挑戦してみてくださいね。
目次
ハゴロモジャスミンの基本データ【どんな花?】
属性 | モクセイ科ソケイ属 |
分類 | つる性常緑木 |
原産国 | 中国 | 開花時期 | 4~5月 |
花 | 白い つぼみはピンク色 | 大きさ | 高さ1~3mの低木 |
花言葉 | 誘惑 官能的な愛 温和 清純 |
ハゴロモジャスミンとは?
強い香りのするハゴロモジャスミンはキンモクセイと同じ種類です。芳醇(ほうじゅん)な香りがするので、香水やアロマによく使われます。またジャスミンティーとしても広く親しまれています。
花はひとつのつるに30~40個ほど咲くので、ひとつひとつは小さな花でも重なり合って咲くと、ボリュームがでます。
つる性植物のため、支柱を立てておく必要があります。この支柱をアーチ状やクロス状にすることで好きな高さにでき、自分で支柱を作ったりカーテン状にしたりする方も多いです。
このように自由に形で遊べるのもハゴロモジャスミンを育てる楽しみといえるでしょう。
種まきできるの?
ハゴロモジャスミンには種がめったにつきません。実がならないのです。ごくまれに小さな黒い種が採取できることもありますが、なぜ実がならず種がつかないのか、いまだに詳しく解明されていません。運よく種が採取でき、種まきをしたいときは春ごろがよいようですが、ハゴロモジャスミンは苗から育てるのが一般的な育て方です。
ジャスミンティーは作れる?
ジャスミンティーに使用される種類はおもに「マツリカ」という品種が使用されています。ですが、マツリカじゃなければジャスミンティーが作れないのかといえばそうではなく、ハゴロモジャスミンを使うこともできます。
ジャスミンを使う際に注意したいのが、ジャスミンでも毒性をもつ植物があることです。ハゴロモジャスミンに毒性はないですが、もしほかのものを育てるときは気をつけてください。
カロライナジャスミンとマダガスカルジャスミンは毒があり、体内に入れると麻痺や心機能障害など起こすので、ハーブティーとして絶対飲んではいけません。そもそもこの2種は正確にいうとジャスミンの仲間ではありません。名前にジャスミンがつくのでまぎらわしいですが、苗を買うときは名前をよく確認しましょう。
ハゴロモジャスミンの育て方・お手入れ法
丈夫な植物なので初心者でも育てやすいハゴロモジャスミンですが、寒さだけには弱いので冬はとくに気をつけてあげてください。難しい特別な育て方はありませんが、どんなことをするのか、ここで確認していきましょう。
環境
暖かい気候を好むハゴロモジャスミン。太陽の光をたっぷり浴びられる場所で育ててください。ただし夏は直射日光が強すぎて、葉焼けしてしまいます。鉢植えの場合は、明るい日陰か、室内の窓際(薄いカーテンをひいて)に避難させてあげましょう。
そして一番注意してほしいのが冬です。ハゴロモジャスミンはほかのジャスミンよりも耐寒性があるとはいえ、氷点下になるような場所では生きづらいです。
冬はもちろんですが、春先や秋など朝晩が冷え込む時期は、鉢植えを室内に入れてあげてください。
土
中性~弱アルカリ性の土壌を好みます。地面の土をそのまま使うのはおすすめしません。地面の土は酸性なので、ハゴロモジャスミンを育てるのに向いていないからです。
土壌改良をするのもよいですが、市販のハーブ用培養土を利用するのが一番簡単な方法です。
水やり
たっぷりのお水を与えてください。鉢植えの土の表面を触って、湿り気がなく乾燥しているようなら水やりをしましょう。夏の外の鉢植えは、朝夕の2回が目安です。
水やりの時間帯ですが、夏の昼に水を与えると、太陽の熱で土の中で蒸れてしまい根腐れにつながるおそれがあります。そのため、気温が下がる時間帯におこなうほうがよいでしょう。
冬は反対に、気温があがる昼に水やりしてください。気温が下がる早朝や晩では、水が凍ってしまうからです。
地植えの場合、地面から水分を吸い取るので水やりは必要ありません。よほど雨が降らない日照り続きで乾燥しているようなら水を与えてください。
肥料
肥料を与えるのは、2月と8月の年2回が理想です。
2月の肥料は「寒肥(カンピ)」といって、春の生長のために必要な栄養を与える役割をします。肥料は「有機肥料」がおすすめです。冬の時期の肥料は、土になじみにくいですが、有機肥料であればゆっくりと土に分解し、ハゴロモジャスミンの根に栄養を届けます。
8月の肥料は、秋になっても花を咲かせるためです。この時期は化学肥料がおすすめです。夏でぐんぐん栄養を使うため、秋には花が咲かなくなりますが長時間持続するタイプの肥料を使っておくことで、夏が終わってもまだ頑張って花を咲かせてくれるでしょう。
害虫
ハゴロモジャスミンにはアブラムシがつくことがあります。大きさ1~3mmで小さな黄緑色の虫です。アブラムシの発生原因はさまざまですが、ひとつに「つるが密集していて風通しが悪い」ことがあげられます。ジャスミンはまさにつるで絡み合って密集する植物なので、アブラムシにとって好条件でしょう。
発生したら駆除剤を使うか、地道に手で取り除くしかありません。方法としては、テープでペタペタ貼り付けて除去する、もしくは歯ブラシでこすり落とすなどあるので、ご自分のやりやすい方法で駆除しましょう。
アブラムシは口針でジャスミンの栄養を吸い取っていくので、枯れる原因や花が咲かない原因になります。見つけたら早めに対策してください。
ハゴロモジャスミンの剪定
ハゴロモジャスミンは生長が早いのが特徴です。つる性植物なので、支柱にくるくる巻き付き、すぐに大きく広がっていきます。小さくするために剪定をしましょう。
剪定時期
剪定は花が咲き終わったころから、秋に入る前までにおこないます。剪定はかならず秋前に終わらせましょう。夏のあいだに生長していたハゴロモジャスミンも、秋になると落ち着きます。落ち着いた秋や冬に剪定をおこなうと、ジャスミンが傷つき弱ってしまい、枯れてしまうこともあります。
また春に剪定をおこなうと、せっかくの花芽を落とすことになり春に花が咲きません。バッサリ切っても平気なジャスミンでも、時期にだけは気をつけてあげてください。
おおよそ3分の1を残し、バッサリ切ってかまいません。あまりにざっくりな説明で心配かと思いますが、ハゴロモジャスミンは丈夫な植物なので問題なく育ってくれます。
もう少し丁寧に剪定していきたい方、そんなに大きく育っていない方は、間引きと摘心の方法をご紹介しますので参考にしてみてください。
剪定方法
ではここからはジャスミンの剪定について解説していきます。
道具は剪定ハサミを用意しください。
◆間引き剪定間引き剪定をすることで、重なり合っている葉やつるに日を当たりやすくなり、風とおしがよくなります。3本あるつるのうち、真ん中1本をとりのぞいていくとつる数が減り、スッキリします。あとは全体のバランスを見ながら、はみ出て伸びきったつるを短くする軽剪定をおこなっていきます。
◆摘心花をたくさん咲かせるための剪定方法です。花はいちばん先端の新芽に咲きます。先端の新芽を取り除くと、そこから新しい新芽が2つに分かれて芽生えます。こういった脇芽をたくさん増やすことで花の数も増えるのです。
1個の新芽が2個の脇芽に、2個が4個に……というように増えていきます。
ハゴロモジャスミンの植え替えと挿し木
どんどん生長していくハゴロモジャスミンは、適度に植え替えする必要があります。また数を増やしたいときは挿し木をすると増えていくので、ここでは鉢の植え替え方法と挿し木の手順をお伝えしていきます。
ハゴロモジャスミンの植え替え方法
5月ごろに植え替えはおこないます。ハゴロモジャスミンの鉢の底を見てみてください。根がちょろちょろ見えていたら、植え替えの時期です。
- 今のものよりひとまわりからふたまわり、サイズが大きな鉢を用意します
- 培養土を新しい鉢の中に入れます
- 鉢からジャスミンをそっとはずします
- 根がびっしりになっているのが確認できるはずです。根を傷つけないように、軽く土を払います
- 新しい鉢にジャスミンをいれて、培養土をすきまにうめていきます
- 水をたっぷり与えて完成です
ハゴロモジャスミンを増やす挿し木
ハゴロモジャスミンを増やしたい方は、8~9月で挿し木をします。
- 鉢を準備する
- ジャスミンの枝の節目2つ分ほど、カット
- カットした先を水につけておく
- 鉢の中に土を入れて、水でしっかり湿らせておく
- 指で穴をあけ、2の枝を挿しこむ
- 土を指でかるくおさえる
- 最初は半日陰において様子をみていきましょう
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