ヤマモモの剪定|実を安定させるお手入れ・時期・樹形づくり
ヤマモモに果実をしっかり実らせたいなら、適切な方法で剪定をおこなわなければなりません。剪定のやり方次第で、花つきや実つきに関係してくるからです。
とくに、ヤマモモの剪定は失敗しやすく、難しいとされています。なによりヤマモモの木自体がとても繊細なため、普段の手入れからが大切です。
健康的なヤマモモを育てるためにも、ヤマモモの剪定やお手入れは正しいやり方を把握してからおこないましょう。本コラムでは、ヤマモモを見栄えよく健康的に育てるための、剪定や普段のお手入れについてご紹介していきます。
目次
ヤマモモの剪定をしよう!時期や樹形について
ヤマモモの剪定方法は、果実を収穫するかしないかで変わります。ここからは、それぞれ目的に沿った剪定の役割や方法、時期についてご紹介していきます。
剪定をする意味
ほとんどの植物は、剪定のお手入れが欠かせません。剪定は「植物を健康的に育てるために不要な枝を切り取る」作業のことです。
植物は根よりも枝葉が成長しすぎてしまうと、バランスが悪くなり弱ってしまいます。そうならないように、不要な枝葉を剪定して健康を促しましょう。とくに花や果実を実らせるような植物を剪定すると、花つきや実つきがよくなる効果が得られます。
さらに剪定をすることで、風通しや日当たりがよくなり病害虫予防が期待できます。また、剪定は樹形を整えることができ、コンパクトに育てることが可能です。
剪定方法1:ヤマモモの実を収穫したい場合
ヤマモモの果実を収穫したい場合は3~4月に剪定をおこないましょう。1~2月など寒い時期に剪定をおこなうと、寒さで葉が黒くなりパラパラと枯れ落ちてしまいます。剪定時期を間違えてしまうと、実がつかなくなるため注意しましょう。
ヤマモモの剪定は「透かし剪定」をおこなうのが一般的です。透かし剪定とは、伸びすぎている枝や細かい枝、混み合っている枝を中心に切る剪定方法になります。
剪定の手順は以下のとおりです。
- 上に勢いよく伸びている枝・絡みあっている枝・内向きに伸びている枝・株から伸びている枝・枯れ枝を枝元から剪定
- 全体をみてまだ混み合っている箇所を分岐点から剪定して透く
- 全体的に枝が均一に透くことができたら完了
ヤマモモは4月になると花芽がつき実がなりはじめます。たくさん果実をつけたい気持ちがあるとは思いますが、安定して毎週収穫するためには、実がついた枝を間引きしながら剪定をおこないましょう。実がたくさんつきすぎてしまうと、翌年の収穫量が減ってしまうからです。
また、ヤマモモの剪定をおこなうときは、円形を意識して剪定をしていきます。市販で販売されている苗木は棒状に整えられていることが多いです。しかしヤマモモ本来の樹形は円形をしているため、何回か剪定を重ねながら円形にしていきましょう。
剪定方法2:ヤマモモの実を収穫しない場合
ヤマモモの実は収穫できなくても問題ないという場合は、温暖な時期であればいつ剪定しても問題ありません。しかし寒い時期に剪定をおこなうと、凍害を受けやすく葉が黒ずんでしまうおそれがあります。そのため、寒い時期を避けて剪定をおこないましょう。
ヤマモモは成長が早く、枝が込みやすいです。そのため、実の収穫をしない場合は、刈り込み剪定がおすすめです。
芽のことを考えず外形を整えるように、木のシルエットを刈り込みバサミでバリバリ剪定していきます。ヤマモモは生育が活発です。そのため、剪定を怠ってしまうと、果実の育成に不調がでたり、弱ってしまうことがあります。少しでも剪定作業に不安があるなら、業者に相談してみてはいかがでしょうか。
弊社では、剪定の経験と知識が豊富なプロをご紹介しております。繊細なヤマモモの剪定も的確に作業をしてもらうことが可能です。少しでも不安や疑問があるなら、まずはご相談にのります。
「ヤマモモ」ってどんな木?健康に育てるためには
ヤマモモを健康に育てるためには、ヤマモモがどのような特性をもった木なのか知る必要があります。ここからは、ヤマモモについての基本情報や適切な育て方を解説していきましょう。
ヤマモモについて
ヤマモモは、梅雨の時期になると甘酸っぱい真っ赤な実をつけます。庭木や街路樹、公園などによく植えられており、日本人に親しみのある木です。ヤマモモは最長で20~25メートルまで伸びます。そのため、適度な高さで保ちたいなら剪定作業は欠かせません。
また、ヤマモモは雄株と雌株にわけられている特徴をもつ植物です。そのため、両方の株がないと実がならないとされています。そのため、確実に実をつけたいなら雌株と雄株の両方を植えるといいでしょう。
果実は生で食べたり、ジャム、砂糖漬け、お酒にしたりとさまざまなことに楽しむことができます。
ヤマモモの適切な育て方
ヤマモモの適切な育て方の基本をご紹介していきます。
・生育環境
ヤマモモは、温暖な地域に自生するため日当たりがよい場所を好みます。土壌は、肥沃な土壌を好みますが、窒素を取り込んでくれる放線菌が根にいるため、やせた土でも成長することが可能です。
・ヤマモモの苗植え
鉢植えで育てる場合は、7~8号の鉢を用意しておきましょう。土は赤玉土を7~8割、腐葉土を2~3の割合で用意します。苗木は芽の上を切り戻しておき、成長を促します。
地植えの場合は、日当たりがよく、水はけがよい場所を選びます。掘る穴は直径・深さともに40センチほどがよいです。穴底には、腐葉土や油かすを混ぜたものを入れてから植えます。
・水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら与えましょう。地植えは、植えたばかりで根つくまでの2~3か月間ほどは水やりをおこないます。また、根ついたあとも乾燥が続くような日に水やりをしましょう。
・肥料
ヤマモモの根は放線菌を共存しているため、たくさん与える必要はありません。7月と2~3月に油かすや骨粉が混ざった有機肥料を与えます。
ヤマモモは日当たりや水はけがよい場所で育てれば、手間をかけなくても十分に育ちます。
病害虫
ヤマモモがかかりやすい病気は「こぶ病」です。こぶ病にかかると、枝や幹にこぶができるようになります。
こぶができた部分は、枝や幹の組織が壊れて内部が空洞になっていきます。そうなると、養水分を運ぶことができなくなっていくのです。そのため、折れてしまったり、枯れてしまったりします。
ヤマモモに発生しやすい害虫は「アブラムシ」「ハマキムシ」「ミノムシ」です。これらの害虫は、葉を食害したり、病原菌の媒介になったりします。枝葉が生い茂っていることで発生しやすくなるため、定期的な剪定が欠かせません。害虫を発見したら、葉ごと取り除いて駆除をしましょう。
増やし方
ヤマモモを増やすには「種まき」をおこないます。まずは、熟した果実から、種を取り出しましょう。種は乾燥しないように、低温の場所で湿った砂の中に入れて保存しておきます。
3月ぐらいになったら種をまきましょう。果実が実るようになるまで20年ほどかかります。
健康的にヤマモモの育てるためにも、育て方に悩みがある方や不安があれば弊社へご相談ください。剪定の作業だけでなく、庭のメンテナンスをおこなうプロをご紹介します。
難しい剪定はプロの手で!ヤマモモ1本からOK
ヤマモモの実を収穫する必要ない場合は、個人でも気兼ねなく作業をすることができます。しかし、実を必ずつけたい場合は、透かし剪定でも油断はできません。難しい剪定は個人でおこなわず、プロの手に任せましょう。
ヤマモモの剪定が難しい理由
ヤマモモは不要な枝を切り取り、全体を透かしていく剪定をおこないます。透かし剪定の度合いによっては、実つきが悪くなるおそれがあります。
また実がつかなくなるのを嫌って、間引くことをしないと、たくさん実がなった翌年は実がつかなくなることがあります。その理由は、たくさん実がついていると、翌年に実をつけるのに必要なエネルギーまで使ってしまう特性があるからです。
また、適切な剪定をおこなわないと、病害虫が発生してしまう原因にもなります。
費用
剪定を業者に依頼すると、どのような計算方法で費用がかかるのかみていきましょう。剪定作業は「日当制」「時給制」「単価制」の3種類の料金形態にわかれています。
日当制は、1日でいくらという考え方で料金が決められています。剪定する本数が多い場合に、日当制は向いているでしょう。日当制は、職人1人あたり約15,000円前後~が、相場となっています。
時給制は、1時間にいくらという考え方で料金を算出します。1時間当たりの相場は、約2,000~3,000円前後で対応しているところが多いそうです。
単価制は、何メートルの木1本でいくらと決められている料金形態です。剪定する木の高さによって料金が変動します。約4~5m前後の木の場合は、約7,000円~13,000円が相場です。また、これらの料金に加え、処分費や出張費などが追加料金として約10,000円前後費用がかかってきます。
業者選びのコツ
業者を選ぶときのコツは相見積りを取ることです。とくに、よりよい業者を選びたい、より安く費用をおさえたいという場合はおこなった方がいいでしょう。
相見積りを取ると、業者ごとの作業内容の違いや費用の違いを見比べることができます。また、相場を知ることができるため、金額面での不安を取り除くことができるでしょう。
さらに、相見積りを取ることで、1つの業者の知識に偏ることなく広い視野をもつことができるようになります。
相見積りを歓迎している業者をお探しなら、弊社へご連絡ください。弊社では相見積りを歓迎している業者をご紹介しております。
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